17歳の時
2001年にK大学病院でMSの診断がついた後に分かったことだが、大学病院に入院中、市民公開講座があった。それは、MS(多発性硬化症)に関するもので、「こんな症状はありませんか」というパンフレットがあった。それに、人の言っていることがわからないetct…と書いてあった。
病院に戻ってから教授に聞いた。高校2年の時、急に先生が言っていることが口をパクパクしているだけで何を言っているのか理解できなくなったんですけど…。
教授は言った「それはMSの徴候でしょう」と。
17歳の時からずっと悩んできた。それまでは試験の前に一夜漬けで朝まで勉強していたが、それ以来いつの間にか眠ってしまい、気がついたら朝が来ていて悪夢のようだった。
急に頭が悪くなって成績は落ちていった。自分では受からないと確信できたK大学も、母の期待があったため受験して当然の如く落ちた。その年に衛生検査技師学校だったのが、3年制の医療技術大学部として遅めの入試があったので、そこに転がり込んだ。
17歳の時から自分が自分でなくなったようで、診断がつくまで一人で悩み苦しんできた。
一番キラキラしている年頃の17歳の私にとっては、残酷ともいえる出来事だった。